図は83歩に対して71銀と引いた局面。
83の拠点が大きそうに見えますが、先手も角取りになっていて忙しい。
しかし、ここで佐藤(康)九段が驚愕の一手を指されました。
93銀成!
これにはびっくりですね。例えば9筋の歩が95にいれば十分考えられる手ですが、
この場合は角取りで忙しい局面だけに非常に考えづらい。
佐藤(康)九段の構想としては、おそらく93同香ならば95歩と突いておいて
77銀成、同桂、同角成ならば94歩と突いて飛車取りに構わず端だけを一点集中して
攻めていこうというのが、佐藤(康)九段の構想だと思われます。
結果は残念でしたが、佐藤(康)九段の将棋は毎回独創的で、
見ている側にとっては非常にわくわくして楽しいですね。
もっともっと驚くような構想や戦法をこれからも披露していただけたらなと思います。
棋王戦の挑戦者は佐藤(天)八段に決まりましたが、渡辺棋王がどのように
迎え撃つか非常に楽しみです。目が離せない戦いになりそうですね。